SaaS(Software as a Service)とは何か?市場規模、具体的な事例・サービスは?

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この記事では、近年注目されるSaaS(サース)について解説しています。どんな概念なのか、具体的にどういったサービスがあるのか、より詳しく知りたい・学びたいときにどんな本があるのかを紹介しています。

SaaS(サース)とは何か

読み方は「サース」で「Software as a Service」の略です。 日本語訳すると「サービスとしてのソフトウェア」の意味。事業者やビジネス上でクラウドで提供されるソフトウェア、アプリケーションのことを指します。

SaaS(サース)の市場規模、特長は

MM総研の調査によると、グローバルのSaaS市場は2018年までに約6兆円、年率19%で成長し続けると予測されています。

また、2016年度の国内クラウドサービス市場規模は前年度比38.5%増の1兆4003億円と大きく成長し、クラウドの持つコストやスピードにおけるメリットを背景に、社内の既存システムのクラウド移行が今後も進み、2021年度までの年平均成長率は20.6%で推移し、同年度には2016年度比2.6倍の3兆5713億円に成長すると予測されています。

加えて、パブリッククラウド(SaaS/FaaS/PaaS/IaaS)の市場規模は、2016年度が前年度比40.9%増の3883億円、2021年度までの年平均成長率は22.1%で、2021年度には2016年度比2.7倍の1兆556億円に達すると予測されています。このように、SaaS・パブリッククラウド市場は国内で見てもグローバルに見ても大幅な市場拡大が予測されていいます。

SaaSの特長は主に二つ。

一つ目の特徴は、ネット回線さえ繋がっていればいつでもどこでもアクセスでき、オンラインストレージサービスでいつでも同じデータに触れられ、必要とあれば複数人でクラウド上で作業を進めることが出来ることです。

二つ目の特徴は、パッケージサービスを導入するよりもコストが抑えられるということが挙げられる点です。ライセンス料・利用料を支払うだけで済むため、初期導入コストは安く、また利用も登録したその日から可能であることが多いため、時間的なコストもそれほどかからずに済みます。

初期コストが抑えられるということは、仮に事業が思うようにいかなかった場合でも、負担しなければならないコストが最少限で済むことになります。いきなりパッケージサービスを使うよりも、SaaSを利用して事業を始めることでリスクを抑えることができます。

これらのメリットは、特に個人や中小レベルの事業者にとって魅力的で、初期費用の安さは新規参入のハードルを大きく下げ、競争の活性化に大きく貢献しています。

海外のSaaS事例

Salesforce(セールスフォース)

Salesforce(セールスフォース)は、世界ナンバーワンの顧客管理(CRM)プラットフォームです。

クラウドベースで、IT部門の管理が不要で、すぐに利用することができます。セールスやマーケティング、サービスといった分野で、より良い顧客マネジメントに貢献できます。

世界で15万を超える組織が利用しています。SaaSの代表的な存在です。日本国内では、旅館で利用される事例が話題になりました。

Slack(スラック)

業務におけるメッセージやファイルが一元化できるチャットサービスです。チーム別、プロジェクト別、顧客別など組織に適したスタイルでチャンネルを作成できること、メールでの長いやり取りとは異なり、チームのメンバーは必要に応じてチャンネルに参加し退出することが出来ること、スレッド表示で、対応中のテーマやプロジェクトから会話が横道にそれるのを防げることが特徴です。エンジニアからの支持は絶大で、インターネット関連企業の多くが利用しています。

Trello(トレロ)

付箋を貼ったりはがしたりする感覚で、タスクが管理できるツール。タスク一つ一つを「Card」として登録し、「Board」と呼ばれている場所で管理する。タスクの進捗ごとに、未着手・着手・確認待ちといった「List」に移すことで、ステータスを管理できるという仕組み。

Zendesk(ゼンデスク)

会社に送られる問い合わせのメールをチケットという概念に置き換え、顧客からの問い合わせを「オープン」「保留中」「解決済み」といったようなステータスで管理できる。メッセージのテンプレート機能など多様な機能を組み合わせることによって、大量のメールをもれなく捌くことを可能にするサービス。

Hubspot

インバウンドマーケティングを実現するためのマーケティングソフトウェアです。SEO支援機能や見込み客のリスト管理機能などマーケティング活動に必要な機能をすべて網羅し、統合されたマーケティング実行環境が提供されている。

国内のSaaS事例

トレタ

トレタは、飲食店の予約を、簡単な方法で、便利に管理できるサービスです。レストラン、居酒屋など飲食店の予約をiPadだけで管理が可能。音声録音やSMS送信にも対応している。予約のデータはクラウド上にすべて保存され、紛失の心配もなく安全・安心に利用が出来ます。現在では予約管理以外にも、顧客台帳、集客・分析、web予約の機能も提供しています。

cacco

ヌーラボが提供しているSaaSの一つです。プロジェクトのアイデアやウェブサイトのレイアウト、作業計画などをオンライン上で簡単に作成し、チーム内に共有出来ます。ワイヤーフレーム、フローチャート、組織図、マインドマップなどの作成機能も付いています。

freee

「クラウド会計ソフト freee」は、経理業務を効率化ができるSaaSです。

銀行口座やネットバンク、クレジットカードと連携することで、日付や金額、取引先などの利用明細を自動で取得し、データからAIを使って勘定科目などを推測できる会計ソフト。使う度にソフトが学習し、経理が自動化していくため、ミスも手間も減らすことが出来ます。

また、取り込まれたデータから、売上・費用レポートや資金繰りレポートを自動で作成、最新の業績・財務の数字を確認出来ます。

KARTE

KARTEは、Webサイトの訪問者の行動や感情をリアルタイムに解析し、一人ひとりに合わせたCX(顧客体験)を提供するサービスです。

サイトの滞在時には、ユーザーにメッセージを通知するポップアップを出したり、チャットでの対応が可能で、サイトを離れたあとにもLINEやメッセンジャー、メールを送ったりといった「ユーザーに合わせた最適な内容を、最適なタイミング」で接客することに貢献出来ます。

KARTEは、旅行や金融・保険、人材など様々な業種に導入されています。

わたしだけの体験がここにある。CX(顧客体験)プラットフォーム KARTE from PLAID inc. on Vimeo.

SaaSについて知りたい・学びたいときにオススメの本・書籍

サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方

SaaSはパッケージサービスのように、買いきりではなく、サブスクリプション(定期購読)で、ずっと利用され続けることで収益が上がるようになっています。

SaaSが継続的に成長するには、顧客との長期的関係を築くことで、いかに解約率を下げるかが重要です。「売って終わり」ではなく、利用し続けてもらうための観点から、従来とは異なるマーケティングに取り組む必要があります。そういった潮流を理解するために本書はおすすめです。

本書は、サブスクリプションへのシフトという巨大潮流の本質を伝えるとともに、サブスクリプション型ビジネスをどのように活用・実践すべきかを示した入門書です。シリコンバレーの多くの先端企業と仕事をしてきたライターが、ユーザー目線と企業目線の両方を活かして、豊富な事例を交えながらわかりやすく語ります。

Amazon.com 商品の説明より

カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則

カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
ニック・メータ, ダン・スタインマン, リンカーン・マーフィー
英治出版

繰り返しになりますが、SaaSを提供する企業・事業者にとって最も重要なのは、顧客との長期的関係を築くこと(解約されないこと)です。パッケージやモノのように売って終わりではなく、いかに顧客と接点を持ち続け満足度を高い状態にキープするかが重要でそのための概念が「カスタマーサクセス」です。本書は、カスタマーサクセスの最前線で活躍する著者がまとめたバイブル的存在です。SaaSやサブスクリプションサービスが成長し続けるには、どのように顧客と接すれば良いのか、またそのためにどのように組織設計、マネジメントを行えばよいのかを考えたい方にとっては示唆に富む一冊。

受け身で顧客に対応するのではなく、データを駆使して顧客を積極的に支援する。そのためにマーケティングはもちろん、事業と組織のあり方を最適化する――。シリコンバレーのSaaS企業で生まれたカスタマーサクセスの哲学と方法論は、いまや非IT企業や従来型企業にも広がり、ビジネス界の一大潮流となりつつある。

カスタマーサクセスはなぜ、どれほど重要なのか。どうすれば定期収益を育てられるのか。組織とマネジメントはどう変わるべきなのか。先進的な企業はどんな取り組みをしているのか。カスタマーサクセスの最前線で活躍する著者らが明解かつ実践的に語ったバイブルの邦訳版。

amazon.co.jp 商品の説明より

以上、SaaS(サース)についてまとめました。

近年、企業向けに提供されている多くのWebサービスは、SaaS(サース)に該当します。SaaS(サース)への理解を深めておくことは今後のビジネス上、非常に重要といえるでしょう。

実際にカスタマーサクセスの概念を組織・マネジメントに取り入れようとする企業は急増しており、そういった経験・スキルを持っている人材のニーズも非常に高くなっています。