M&Aや事業承継の手段として近年注目されている「サーチファンド」。この手法は、起業家や投資家にとって魅力的な選択肢となっていますが、その仕組みや利点、そして潜むリスクについて理解することが重要です。本記事では、サーチファンドの基本的な仕組みから、そのメリット・デメリットまでを詳しく解説します。また、通常のM&Aや事業承継との違いについても触れます。
サーチファンドとは何か?
サーチファンドは、経営者候補となる個人(サーチャー)が、投資家の支援を受けながらM&Aや事業承継を主導するスキームですサーチャーは買収・承継後も企業の経営に関与し、企業価値を高めることで投資家にリターンを提供します。
参考:サーチファンド(Wikipedia)
通常のM&Aや事業承継との違い
通常のM&Aは、既存の企業や投資ファンドが対象企業を買収する形が一般的です。事業承継の場合は、企業の経営権が後継者に引き継がれる形が多いです。一方、サーチファンドは以下の点でこれらとは異なります。
サーチャーの役割
サーチファンドでは、サーチャーと呼ばれる個人が主体となり、投資家から資金を集めて買収対象企業を探します。サーチャーは買収後の企業経営も担当します。
資金調達の方法
サーチファンドは、初期段階でサーチャーが投資家から資金を調達し、買収対象企業を見つけるための活動資金を得ます。通常のM&Aでは、買収が決定してから資金を調達することが多いです。
目的と規模
サーチファンドは中小企業を対象とし、事業承継や成長の機会を見つけることが多いです。通常のM&Aは、規模が大きい企業や戦略的な買収が中心です。
サーチファンドの仕組み
サーチファンドのプロセスは大きく分けて4つのフェーズに分かれます。まず、サーチャーが資金を調達する「ファンドレイジング」フェーズ、次に適切な企業を見つける「サーチ」フェーズ、そして企業を買収する「アクイジション」フェーズ、最後に企業の価値を高める「オペレーション」フェーズです。これらのフェーズを順次進めることで、サーチファンドは企業買収と経営を実現します。
サーチファンドのメリット
サーチファンドにはいくつかの魅力的な利点があります。まず、若い起業家にとっては経営の機会を得ることができ、実務経験を積むことができます。また、投資家にとっては高いリターンを期待できる可能性があります。さらに、サーチファンドは中小企業のオーナーに対しても、事業承継の一つの選択肢を提供します。
サーチファンドのデメリット
一方で、サーチファンドにはリスクも存在します。まず、適切な企業を見つけることが困難である場合があります。また、買収後の経営においても、サーチャーが経験不足であると経営の課題を克服できない可能性があります。さらに、投資家にとってはリターンが不確実である点も注意が必要です。
事例と成功のポイント
サーチファンドという概念は、1984年にアメリカのビジネススクールで誕生し、その後世界的に広がっています。日本国内においても、現在サーチファンド・ジャパン代表取締役である伊藤公健氏が日本ではじめてサーチファンドの仕組みで事業承継を行い、注目を集めました。
参考:サーチファンドの概要と歴史(株式会社サーチファンドジャパン)
成功のポイントとしては、サーチャーの適切な選定、十分な調査と準備、そして買収後の効果的な経営戦略が重要です。これらの要素が揃うことで、サーチファンドは成功を収めることができます。
まとめ
サーチファンドは、経営者を目指す方々や投資家にとって魅力的なM&A/事業承継の手法のひとつであり、経営者を目指す方々のための新しいキャリアパスとしても世界的に注目を集めています。今回の記事では、このサーチファンドの仕組みとメリット・デメリットについて紹介しました。
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