

プロダクト開発の現場では、アジャイル手法が一般的になっています。しかし、開発スピードを優先するあまり、「本当に必要なものが作れているのか?」という課題に直面する企業も少なくありません。そこで注目されるのが「デュアルトラックアジャイル」です。この手法は、「何を作るべきかを探るプロセス」と「実際に作るプロセス」を並行して進めることで、無駄を減らし、よりユーザー価値の高いプロダクトを生み出します。本記事では、デュアルトラックアジャイルの概念、メリット、導入ポイントについて詳しく解説します。
デュアルトラックアジャイル(Dual-Track Agile)は、プロダクト開発において「ディスカバリートラック(Discovery Track)」と「デリバリートラック(Delivery Track)」の2つのプロセスを並行して進める手法です。
従来のアジャイル開発では、開発スピードを優先するあまり、「何を作るべきか」を明確にしないまま開発が進むケースがありました。デュアルトラックアジャイルでは、ディスカバリーで得た知見をもとにデリバリーを進めるため、開発の無駄を大幅に削減できます。
ディスカバリートラックでアイデアの検証を行い、確実に価値のあるものだけをデリバリーに移すことで、不必要な機能の開発を防げます。
プロトタイプやMVP(Minimum Viable Product)を用いた仮説検証を素早く行い、開発前にユーザーの反応を確かめることができます。これにより、「リリース後に修正が必要になる」という事態を防げます。
ディスカバリーで方向性が明確になっているため、エンジニアは不要な仕様変更に悩まされることなく、確度の高いタスクに集中できます。
市場のニーズを適切に捉えた開発が可能になり、「作ったけど使われない機能」を減らすことができます。これは、スタートアップはもちろん、大企業の新規事業開発でも大きなメリットとなります。
ディスカバリーとデリバリーが分断されると、開発チームが「なぜこの機能を作るのか?」を理解しづらくなります。定期的なミーティングや情報共有を行い、両者の連携を強化しましょう。
ディスカバリートラックの活動が形骸化すると、アイデアが開発にうまく反映されません。アウトプットとしてプロトタイプやデータ分析結果を用意し、開発チームと共有することが重要です。
ディスカバリーが長引くと、開発スピードが低下します。1~2週間ごとに仮説検証を繰り返し、短期間で意思決定を行うことがポイントです。
デュアルトラックアジャイルは、「何を作るか」と「どう作るか」を並行して進めることで、無駄な開発を削減し、より価値の高いプロダクトを生み出す手法です。特に、ユーザー中心の開発を目指す企業にとって非常に有効なアプローチとなります。
導入時には、トラック間の連携を意識し、スピード感を持って運用することが成功の鍵となります。ぜひ、自社の開発プロセスに適用してみてはいかがでしょうか?
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