
企業が成長を続けるためには、単一のサービスに依存せず、多角的な事業展開を行うことが重要です。その代表例が楽天に見られるような「経済圏」の形成です。ECを起点に、トラベル、保険、証券など多岐にわたるサービスを展開し、顧客が自社のサービスを横断的に利用する仕組みを作り上げています。本記事では、カテゴリーエントリーポイントの視点から、企業がどのように経済圏を構築できるのかを解説します。
経済圏を生み出すカテゴリーエントリーポイントとは
カテゴリーエントリーポイントとは、消費者が特定のカテゴリーの商品やサービスを検討し始める際の接点を指します。楽天のような経済圏戦略では、このカテゴリーエントリーポイントを巧みに活用し、複数の事業領域でシームレスに顧客を誘導しています。
たとえば、楽天市場(EC)で買い物をすると、楽天ポイントが貯まります。このポイントは、楽天トラベルでの旅行予約や、楽天モバイルの支払い、楽天証券での投資に活用可能です。このように、異なるカテゴリー間での相互送客を行うことで、顧客の囲い込みを強化し、経済圏を形成しています。
経済圏戦略のメリット
経済圏戦略には以下のようなメリットがあります。
メリット1:顧客の長期囲い込み
楽天のようにポイントプログラムを活用すると、顧客は経済圏内での利用を続ける傾向が強まります。たとえば、「楽天カードで支払うとポイント還元率が高くなる」といった特典は、顧客が楽天のサービスを継続して使う動機づけになります。
メリット2:LTV(顧客生涯価値)の向上
単一のサービスでは、顧客が一度利用したら離脱する可能性が高いですが、経済圏を作ることで他のサービスにも誘導できます。楽天の場合、ECで獲得した顧客を金融や通信サービスへ展開することで、一人あたりのLTVを最大化しています。
メリット3:データ活用による最適なマーケティング
複数のサービスを横断することで、顧客データを統合的に管理できます。これにより、各ユーザーの行動パターンを把握し、適切なタイミングでマーケティング施策を実行できます。たとえば、楽天市場で頻繁に旅行用品を購入している顧客に対して、楽天トラベルの特別クーポンを提供する、といったパーソナライズドな施策が可能です。
他企業における経済圏戦略の可能性
楽天以外にも、経済圏を形成する企業は増えています。
- ソフトバンク・PayPay経済圏:モバイル契約からPayPay、PayPayカード、Yahoo!ショッピングへと連携
- Amazonのエコシステム:プライム会員を軸に、EC、動画配信、音楽、電子書籍などを統合
- イオン経済圏:スーパーを基盤に、WAONカード、イオン銀行、イオンモバイルなどを展開
これらの企業もカテゴリーエントリーポイントを活用し、ユーザーを異なるサービスへと誘導することで、経済圏の強化を図っています。
企業が経済圏を構築するためのステップ
企業が独自の経済圏を形成するためには、以下のステップが重要です。
ステップ1:コアとなる事業の確立
まずは、楽天市場のような「核」となる事業を確立し、安定した集客基盤を作ることが必要です。
ステップ2:シナジーのある関連サービスの展開
コア事業と親和性の高いサービスを追加し、カテゴリーエントリーポイントを広げていきます。たとえば、EC企業が自社ブランドの決済サービスを提供するのは、自然な流れです。
ステップ3:共通のインセンティブ設計
楽天ポイントのような共通の報酬制度を設けることで、ユーザーにサービス間の移動を促すことができます。
ステップ4:データ統合による最適化
顧客の行動データを活用し、パーソナライズされたマーケティングを行うことで、経済圏内でのエンゲージメントを高めます。
まとめ
カテゴリーエントリーポイントは、経済圏戦略の根幹を支える重要な要素です。楽天のような企業は、ECを起点に金融、通信、旅行など多角化し、それぞれのサービスをカテゴリーエントリーポイントとして機能させることで、ユーザーを経済圏内に取り込んでいます。この戦略を活用することで、顧客の長期囲い込みやLTV向上、マーケティングの最適化が可能となります。今後、他の企業もカテゴリーエントリーポイントを意識した事業展開を行うことで、独自の経済圏を生み出すチャンスが広がるでしょう。
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