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退職してからはじまる、会社と人との新しい関係――「アルムナイ」にいま注目する理由

撮影場所: WeWork オーシャンゲートみなとみらい

不確実性の高い“VUCA”と言われるこの時代。そんななかでも、比較的確実性の高い未来予測のひとつが「人口動態」です。けれど、その見通しはポジティブとは言えません。むしろ、働き手が減り続けるという現実が突きつけられています。

リクルートワークス研究所が「労働供給制約社会」と呼ぶこの状況は、景気や企業の業績に左右される一時的なものではなく、日本全体が必要とする労働力に対して、構造的に「人が足りない」という状態が続いていくという予測です。

参考:未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる(リクルートワークス研究所)

その結果、企業にとっての人材採用は、これまでにないほどの難易度をともなうようになっています。

そんななか、改めて注目が集まっているのが「アルムナイ」という考え方です。

アルムナイの語源である「alumnus(アルムナス)」とは、ラテン語で「卒業生」や「同窓生」を意味する言葉。人材ビジネスの領域では、企業を辞めた人を「卒業生」と捉え、単なる過去の社員ではなく、これからも何らかの形で関わり合える存在として見る動きが広がりつつあります。

今回は、そのアルムナイ市場で事業を展開する、アルムナス株式会社の代表、名智 伸明(なち のぶあき)さんにお話を伺いました。

なぜアルムナイというテーマに取り組むのか。どんな社会を目指しているのか。名智さんの原体験とともに、そのビジョンに迫ります。

目次

“逆張り”で選択したキャリア

2015年に新卒でNECへ入社した名智さん。誰もが知る大手企業を就職先に選んだ背景には、“逆張り”の発想があったといいます。

就職活動では、大手企業に行くか、それともベンチャー企業に飛び込むか、かなり悩みました。当時はどちらかというと、ベンチャーの環境に魅力を感じていたんです。

ただ、将来のキャリアを見据えたときに、「大手からベンチャーへの転職はできても、その逆は難しいだろう」と思いました。

いずれベンチャーに挑戦する可能性があるとしても、大手企業で“グローバルな経験”を積めるのは、新卒というタイミングならでは。そう考えて、まずは大手かつグローバル展開を強化しようとしている企業を探すことにしたんです。

当時のNECは、IT系の大手企業の中でも、海外売上比率がそれほど高くない状況でした。「これからグローバル戦略を本格化させるフェーズにある」と感じたことが、入社の決め手になりました。

NECで約4年間、国内外の法人営業や事業開発を経験した名智さんは、次のステップとしてベンチャー企業への転職を決意します。

AI関連事業を手がけるエクサウィザーズでの勤務を経て、2020年には、ユーザベースの100%子会社となったばかりのミーミルに入社。エンタープライズセールスとして、同社の成長をけん引していきます。

私が入社した当時のミーミルは、社員数が30名ほどのスタートアップでした。一方で、親会社であるユーザベースは1,000名を超えるメガベンチャー。規模もフェーズも異なる2社の文化に同時に触れられたのは、とても貴重な経験でした。

ユーザベースグループは、卒業生のおよそ2割が独立・起業するような環境でもあり、私自身も「いつかは自分も」と、自然と起業を意識するようになっていきました。

そして2024年4月、ミーミルを退職。当時の同僚、そしてその友人とともに、アルムナス株式会社を立ち上げました。

人材ビジネスの「出口」に注目

人材ビジネス未経験だった名智さんが、同じ領域のなかでも「アルムナイ」という、まだ比較的新しい市場に注目したのは、どのようなきっかけからだったのでしょうか。

ミーミル、そしてユーザベースでの勤務経験が、大きな影響を与えています。人事や採用の仕事をしていたわけではありませんが、どちらの会社も組織内のコミュニケーションが非常に活発で、人と向き合う文化が根付いていました。

そうした環境で働いたことで、「これからの働き方をどうつくるか」というテーマに強く関心を持つようになり、将来的にはその領域で起業したいと考えるようになりました。

その中でも「アルムナイ」という市場に着目したのには、ふたつ理由があります。

ひとつは、自身の原体験です。新卒で入社したNECには4年ほど在籍していましたが、あれだけの規模の会社ですし、その期間で自分が会社(または世の中)に貢献できた実感はほとんどありませんでした。

ただ、その後に転職したミーミルやユーザベースで、自分が関わったサービスをNECに導入いただき、ビジネスとして価値を提供できたという手応えはありました。

退職したあとに、かつて在籍していた会社に再び関わり、貢献できる――。そんなふうに、会社と人とが緩やかにつながり続ける関係に、強く魅力を感じたんです。

もうひとつは、人材ビジネスにおける「出口」の可能性です。人材領域には、採用という「入り口」や、研修・育成といった「中間」を支えるサービスはたくさんありますが、退職後という「出口」にフォーカスしたサービスは、まだまだ多くはありません。

“逆張り”で考えるのが好きな自分にとって、あまり注目されていない領域に挑戦するのは、ビジネスとしても面白いアプローチだと感じました。

辞める前提で構築する、会社と人との新しい関係

ここからは、名智さんが創業したアルムナス株式会社の事業内容についても紹介していきます。同社が提供するサービスは、大きく分けて3つあります。

ひとつ目は、アルムナイコミュニティの立ち上げ支援と、その後のコミュニティマネジメント。ふたつ目は、構築されたコミュニティ内で仕事の受発注を可能にする仕組みの提供。そして3つ目が、大手企業のシニア人材に向けたセカンドキャリア支援です。

現在、最も力を入れているのが、アルムナイコミュニティの立ち上げとマネジメントの支援です。クライアントには大手企業もスタートアップもいますが、共通しているのは、従業員数が数百名以上の規模で、一定の人材流動性があること。そして何より、企業のビジョンが明確で、それが社員にきちんと浸透している点です。

アルムナイコミュニティを意味のあるものにするには、一定以上の人数が必要です。また、退職を「卒業」と捉え、会社に対して前向きなイメージを持ち続けている人が多いことも重要な要素です。

私たちが支援する具体的な内容は、まず退職者のデータベースの構築からはじまります。退職者が今どんな仕事をしているのか、最新の情報をアップデートできる仕組みを整備します。さらに、その情報が現役社員や卒業生に共有されるよう、イベントやコンテンツの企画・運営も行っています。

発信方法としては、社内イントラネットなどのクローズドな場で共有するケースもあれば、noteなどのオープンメディアを活用して一般公開するケースもあります。転職が当たり前になった今の時代、入社する段階で「いずれは辞める」ことを前提にしている人も少なくありません。だからこそ、「退職後にどんなキャリアを歩む人が多いのか」という情報は、採用ブランディングにおいても極めて重要なコンテンツになっています。

次に、こうして構築されたアルムナイコミュニティに対して、企業が卒業生に仕事を発注できるようにしたり、卒業生同士で仕事を受発注できるように支援するのが、2つ目のサービスです。

この取り組みを進める中で、新たに見えてきたのが、シニア人材のセカンドキャリアという企業課題です。定年を迎える従業員のキャリアをどう支援するかは、一定規模以上の企業にとって共通の悩みといえます。

退職後の卒業生が、どんな仕事に携わっているかを社内外に発信することは、シニア層にとっての「ロールモデル」にもなり得ます。実際にそうした情報を求めている企業も多く、アルムナイコミュニティの支援とあわせて、当社でもセカンドキャリア支援のサービス提供を開始しました。

今後、コミュニティ内での仕事の受発注の仕組みが広がれば、定年前に副業として関わることで、収入面でもキャリア面でも、セーフティネットのような役割を果たす可能性があると考えています。

アルムナイ組織を社団法人化する取り組み

名智さん率いるアルムナス株式会社が手がけた事例のひとつに、前職・ミーミルのアルムナイコミュニティの立ち上げがあります。この取り組みの特徴は、単なるコミュニティにとどまらず、「一般社団法人ミーミルアルムナイ」として法人格を持つ組織として設立された点にあります。

もともとは、名智さんが前職の代表である川口氏に企画を提案したところからスタートしたもの。その背景や狙いはどのようなものだったのでしょうか。

参考:会社を巣立った「知」が集い、世の中に新たな価値を生む――日本初・アルムナイ社団法人の可能性(アルムナス)

アルムナイコミュニティを、どうすれば一過性ではなく、持続的な活動へと育てていけるか――。そうした議論を、前職時代に川口さんと重ねていく中で、「一般社団法人という形式で立ち上げよう」という話になりました。

ただの情報発信や交流会にとどめず、継続性と意思をもった活動体として育てていきたいという想いがありました。株式会社ではどうしても営利追求が前提となってしまうため、よりフラットな組織構造を実現するには、一般社団法人という形がふさわしいと考えたんです。

ミーミルを退職・卒業した人が、自然な流れでミーミルアルムナイに加入する。そんな文化が根づいていくような仕組みにしていきたいと思い、この法人を立ち上げました。

会社と人との関係を再定義する

撮影場所: WeWork オーシャンゲートみなとみらい

「アルムナイ」という考え方は徐々に注目を集めつつあるものの、まだ世の中に十分浸透しているとは言えません。 企業にその価値を理解してもらうには、苦労も多いと名智さんは語ります。

最後に、名智さんがアルムナス株式会社の事業を通じて目指している世界について伺いました。

アルムナイコミュニティというと、いまのところ「退職後の出戻り採用を支援する仕組み」というイメージが強く残っているように感じます。もちろん、それもひとつの可能性ですが、私たちが本当に重視しているのは、出戻り採用を前提にするのではなく、退職・卒業した人たちにとって心から価値のあるコミュニティを構築することです。

かつての終身雇用の時代には、「一度入社すれば一生安泰」という価値観がありました。でも、いまは転職や独立などを通じて会社を離れることが当たり前になっています。だからこそ、退職・卒業後に人と会社がゆるやかにつながり続ける関係は、新しい形のセーフティネットになり得ると考えています。

会社に依存するのではなく、でも、会社で培った信頼関係は大切にしたまま、それぞれの人生に合った形でつながっていく。そうした関係性こそが、これからの時代にふさわしい「企業と人とのあり方」だと思うんです。

そして、私たちはその世界の実現に向けて、これからも取り組んでいきたいと考えています。

取材対象者プロフィール

撮影場所: WeWork オーシャンゲートみなとみらい

名智 伸明(なち のぶあき)
アルムナス株式会社 代表取締役CEO

2015年4月、NECに新卒で入社。国内外の法人営業や事業開発に携わる。その後、エクサウィザーズを経て、2020年にユーザベースグループに買収された直後のミーミルへ入社し、エンタープライズセールスを担当。2024年に同社を退職し、同時にアルムナス株式会社を設立。代表取締役CEOに就任。

取材・執筆:武田 直人 / 撮影:山中 基嘉

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