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企業価値を評価する「プレバリュエーション」「ポストバリュエーション」の2つを知っておこう

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スタートアップやベンチャー企業に投資する際、企業価値の評価は重要な要素となります。特に「プレバリュエーション」と「ポストバリュエーション」の2つの概念を理解することが、投資家や経営者にとって不可欠です。本記事では、プレバリュエーションとポストバリュエーションの違い、各評価方法の意味とその活用方法を詳しく解説し、企業価値を正確に評価するための基礎知識を提供します。

プレバリュエーションとは?

プレバリュエーション(pre-valuation)とは、外部からの投資が行われる前に評価される企業の価値を指します。具体的には、資金調達が行われる前の企業価値であり、事業の成長性や市場シェア、将来的な収益性などに基づいて算出されます。この評価は、スタートアップやベンチャー企業の経営陣が投資家に対して提示し、投資条件を交渉する際の基準となります。プレバリュエーションは、企業の将来性を評価する指標であり、事業計画やプロダクトのポテンシャルを考慮して算出されるため、まだ売上がない企業でも高い評価を受けることがある点が特徴です。

ポストバリュエーションとは?

ポストバリュエーション(post-valuation)は、資金調達が行われた後の企業の価値を表します。プレバリュエーションに調達した資金額を加算したものがポストバリュエーションです。例えば、ある企業のプレバリュエーションが10億円で、1億円の投資を受けた場合、ポストバリュエーションは11億円となります。ポストバリュエーションは、企業が新たに得た資金を基にさらなる成長を遂げる可能性を反映したものであり、投資家にとっては自分が投資した後の企業価値を知るための重要な指標です。また、ポストバリュエーションによって投資家の持ち株比率も決まるため、交渉や契約の際に重要な意味を持ちます。

プレバリュエーションとポストバリュエーションの違い

プレバリュエーションとポストバリュエーションは、共に企業価値を評価する際に用いられる指標ですが、評価時点と投資家の視点での役割が異なります。プレバリュエーションは、投資前の企業価値であり、企業がどの程度の成長ポテンシャルを持っているかを判断するために使われます。一方、ポストバリュエーションは投資後の企業価値であり、投資家がどれだけの価値を手に入れるかを測るための指標です。したがって、交渉時にはプレバリュエーションをベースに投資額が決まり、その後ポストバリュエーションを元に出資比率や持ち株比率が確定します。両者をしっかりと理解することで、投資における戦略的な判断が可能となります。

プレバリュエーションとポストバリュエーションの計算方法

プレバリュエーションとポストバリュエーションの計算方法は非常にシンプルです。プレバリュエーションは、通常、企業の業績、将来のキャッシュフロー、同業他社のバリュエーションを参考にして決定されますが、スタートアップの場合は事業の将来性や市場ポテンシャルがより重視されます。一方、ポストバリュエーションは、以下の計算式で求められます。

ポストバリュエーション = プレバリュエーション + 調達金額

例えば、プレバリュエーションが5億円で、2億円の資金調達を行った場合、ポストバリュエーションは7億円となります。この計算により、投資家がどれだけの価値を購入したかが明確になります。また、持ち株比率は「調達金額 ÷ ポストバリュエーション」で求められます。このような計算は、投資家と企業双方にとって重要な指標となります。

プレバリュエーション・ポストバリュエーションを理解する重要性

プレバリュエーションとポストバリュエーションを正しく理解することは、投資家と起業家の双方にとって極めて重要です。投資家にとっては、どの程度の価値を持つ企業に投資し、どれほどのリターンが期待できるかを見極めるための判断材料となります。起業家にとっては、企業価値を適切に評価されることが、将来的な資金調達や事業拡大の鍵となるため、これらの数値は投資家との交渉材料にもなります。特にスタートアップ企業の場合、企業価値の評価は将来の事業成長に大きく影響するため、慎重に算出されるべきです。

まとめ

プレバリュエーションとポストバリュエーションは、企業価値を評価する際の重要な概念です。プレバリュエーションは投資前、ポストバリュエーションは投資後の価値を示し、投資家や経営者にとって企業の成長性や投資のリターンを見極めるための指標となります。特にスタートアップ企業においては、これらの評価が投資の成否に直結するため、しっかりと理解し活用することが重要です。企業価値を正しく評価し、成長につなげるためには、双方の概念を踏まえた上で戦略的に行動する必要があります。

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