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売れる営業の“嗅覚”をAIとデータの力で再現し、営業活動を変革する

生成AIの登場によって、あらゆる業務プロセスが変革を迫られている昨今。営業活動という、これまで「もっとも人間らしい仕事」とされてきた領域でさえ、「営業不要論」が一部で語られるようになってきました。

AIによって営業はどのように変わっていくのか――。このテーマは、事業開発に関わるビジネスパーソンにとって、大きな関心ごとのひとつといえるでしょう。

今回は、月額8万円から利用できる営業リスト提供サービス「セールスブレイン」を展開する、セールスブレイン株式会社 代表取締役CEOの柿崎 俊輔(かきざき しゅんすけ)さんにインタビューを実施。これまでのキャリアやサービス立ち上げの背景に加え、AI時代における営業活動のあり方についても、お話をうかがいました。

目次

営業ってダサいと思ってた

大学時代、柿崎さんは上場直前だったクラウドワークスでインターンとして働いていました。2015年4月には新卒として正式に入社し、キャリアをスタート。はじめの半年ほどはWebマーケティングの業務に従事していましたが、ある日、上司に直談判し、新規開拓営業のチームへと異動します。

就職活動のときは、「営業をやらなくてもよさそうなIT系企業」を志望していたんです。営業って、“人に頭を下げてモノを買ってもらう”みたいなイメージがあって、正直やりたくない仕事だと思ってました。でも、気づいたら自分から手を挙げて、営業チームに異動していたんですよね(笑)。

当時のクラウドワークスは、オンラインで受発注が完結するプラットフォーム型のビジネスを主軸に据えつつ、そこに登録しているクラウドワーカーのリソースを、より多くの企業に提供していくため、ディレクターが間に入る受託型モデルを強化しているタイミングでした。

主にデータ入力やコンテンツマーケティングといった業務を、企業に提案する営業職として新規開拓を担当していました。ちょうど当時は、機械学習やディープラーニングの注目が高まる「AI第3次ブーム」の真っただ中で、「教師データ」の作成をはじめとした案件を多く受注していた時期ですね。

営業活動を行うなかで気づいた課題

クラウドワークスで新規開拓営業に従事した柿崎さんは、その後、飲食業界の卸業者向けSaaSを展開する「タノム」で新規事業の立ち上げと営業活動を経験。さらに、フリーランスとして複数のスタートアップで事業開発支援を行った後、顧客対応をAIで行う「チャネルトーク」に、ひとり目の営業として参画するなど、営業というスキルを軸にしながら、複数の新規事業を牽引してきました。

そして2023年、第2子の誕生を機に軽井沢へ移住。これと同時期に法人を設立し、営業リストを提供するサービス「セールスブレイン」を立ち上げます。

独立当初は、自分自身が軽井沢に移住したこともあって、地方移住を促進するような事業をやろうと考えていました。でも、事業を立ち上げるにあたっていろんな方と壁打ちをするなかで、「やりたいことよりも、自分の強みを活かせることをやるべきだよ」とアドバイスをいただいたんです。そのときに改めて気づいたのが、「営業」という領域でした。

これまでいろんな会社で営業活動をしてきましたが、営業とひとことで言っても、リスト作成、アポイント獲得、商談、クロージングなど業務は多岐にわたります。そのなかで、自分がもっとも得意としていたのが、「誰にアプローチするか」というターゲティング戦略と、そこに付随するリスト作成でした。

どんなに優れた商品があっても、どんなに強い営業組織をつくっても、ターゲティングを間違えると良い成果は絶対に出ない。仮に短期的に売上をつくれたとしても、継続的な成長にはつながらない。そういった自身の経験が、「セールスブレイン」の構想へとつながっていきました。

企業の“動的”な情報を日次でリスト化

画像引用:「セールスブレイン」サービスサイトより

「セールスブレイン」は、月額8万円から無制限に営業リストを取得できるサービスです。その最大の特徴は、35媒体・40万件超の求人情報を“シグナル”として活用している点にあります。求人情報は、企業の最新動向をリアルタイムで捉えられる貴重なデータソースであり、それを日次で収集・更新しているのが強みです。

自分自身が営業をしていたとき、Octoparseというノーコードのスクレイピングツールを使ってリストを作っていたんですが、ただのスクレイピングだとノイズデータが混じったり、名寄せに手間がかかったりと、運用はかなり大変でした。それを手軽に使えるようにしたのが「セールスブレイン」です。

営業リスト提供サービス自体は他社にもありますが、大きく分けてふたつの課題を感じていました。

ひとつは、所在地や電話番号、代表者名、資本金など、いわゆる“静的”なデータしか取得できないことです。これだけでは、企業が「いま何に投資しようとしているのか」といった変化を捉えることができず、適切なアプローチのタイミングも見極めにくいんですよね。

たとえば当社が扱っている求人情報をはじめ、資金調達、オフィス移転・出店、商標登録、許認可の取得など、企業のアクションを検知できる“動的”なオープンデータというのは、営業活動において非常に重要な要素だと考えています。

「優秀な営業は“嗅覚”がすごい」と言われたりしますが、私が考えるその“嗅覚”とは、企業の変化や動きを捉え、そこからニーズを読み取り、仮説を立ててアプローチする力のこと。それをAIとデータの力で再現性ある形に落とし込もうとしているのが、「セールスブレイン」の思想です。

もうひとつの課題は、“動的”な情報を付加して提供するサービスは存在していたものの、価格が非常に高額だった点です。少なくとも、10人以上の営業チームを持つような企業でないと、投資対効果が合いませんでした。

その点、当社は月額8万円という価格帯で提供しているため、営業がひとりしかいない企業でも導入されていますし、実際に導入企業の多くは、3〜5名規模の営業組織です。

実は、サービスの着想から初期バージョンのリリースまでは、たった1カ月しかかかっていないんです。最初はいまのようなシステムではなく、私自身がスクレイピングとデータ成型の仕組みを組み立てて、スプレッドシートで納品していました(笑)。

でも、SNSで告知したところ一瞬で5社から申し込みが入って。「これは急いで形にしなければ」と思って、急ピッチでシステム開発を進め、その翌月には2ndバージョンをリリースしました。

AIから営業を受けたいわけじゃない

2025年6月、サービス提供から1周年を迎えた「セールスブレイン」。今後のサービス拡張をどのように考えているのか。そして、生成AIという大きな潮流のなかで、「セールスブレイン」が目指す“AI時代の営業スタイル”とは、どのようなものなのでしょうか。

営業活動において、量が重要であることは否定しません。でも、企業のことを何も調べず、仮説も持たずにただ電話をかけることには、ものすごく違和感があります。特にいまは、生成AIのおかげで、事前リサーチにかかる手間やコストはどんどん下がってきていますしね。

商談前に準備をするのが当たり前であるように、架電の前にも、しっかり事前準備や仮説を持つのが当たり前になるべきだと思っています。それが、私の理想とする営業活動の姿です。そして、そうした理想をAIとデータの力で支援していくことこそ、「セールスブレイン」が目指す方向です。

最近では、AIが自動で架電するようなサービスも登場していますが、正直、AIから営業を受けたいという人は、ほとんどいないんじゃないでしょうか。営業をただ自動化・省人化するのではなく、人間の営業活動をAIとデータで支える。そのバランス感覚が、私が考える“AI時代の営業スタイル”です。

今後は、求人情報以外のデータソースもさらに拡充していく予定です。あわせて、リストの提供にとどまらず、そこから導き出される仮説や、それをトークスクリプトとして活用できるような機能も加えていきたいと考えています。

さらに、SalesforceやHubSpotといったSFA・CRMとの連携も視野に入れています。更新が追いつかず古くなりがちな企業のハウスリストに対して、当社のデータをもとに最新情報を自動で補完できるような仕組みも、現在検討を進めているところです。

新規開拓って、ラブレターを送るようなものだと思うんですよ。テンプレート化された無機質な文面を一斉に送るよりも、ひとり一人に合わせて言葉を選んだほうが、やっぱり伝わりますし、結果にもつながりますよね。

取材対象者プロフィール

柿崎 俊輔(かきざき しゅんすけ)
セールスブレイン株式会社 代表取締役CEO

2015年4月、学生時代からインターンとして関わっていたクラウドワークスに新卒で入社。WebマーケティングやUI/UXの改善業務に取り組んだ後、新規開拓チームにて営業職として活躍する。2017年には、株式会社タノムで飲食業界の卸業者向けBtoB SaaSにおける新規事業の立ち上げを経験。

その後、2019年よりフリーランスとしてスタートアップの事業開発支援に携わる。さらに、顧客対応をAIで行う「チャネルトーク」の運営会社にひとり目の営業として参画し、MRR(月次経常収益)を数千万円規模にまで成長させることに貢献した。

2023年、セールスブレイン株式会社を創業し、代表取締役に就任。

取材・執筆:武田 直人 / 撮影:山中 基嘉

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