ビジネスの分野でよく耳にする「フェルミ推定」。これは限られた情報から合理的な推測を行う方法で、戦略コンサルティングファームをはじめ多くの企業が面接でこのスキルをテストしています。この記事では、フェルミ推定の基本的な考え方や、実際の問題に対するアプローチ方法を解説し、面接対策に役立つ情報を提供します。
フェルミ推定とは何か?
フェルミ推定は、ノーベル物理学賞を受賞した物理学者エンリコ・フェルミにちなんで名付けられた推定方法で、不確実な情報の中から合理的な推測を導く手法です。具体的には、次のような特徴があります。
- 限られたデータから推測する 詳細なデータが揃っていない状況でも、大まかな見積もりを立てることができます。例えば、「東京都内に存在するピアノ調律師の数」を推定する際に、全人口やピアノ所有率、調律の頻度などのデータを使います。
- 大きな数を分割して考える 複雑な問題をいくつかの簡単なステップに分解し、それぞれのステップで推定を行います。これにより、全体の精度を高めることができます。
- 現実的な仮定を立てる 現実に基づいた仮定を設定し、それに基づいて計算を進めることが重要です。この過程で、仮定がどれだけ合理的かを評価し、修正することもあります。
フェルミ推定の具体的なアプローチ方法
フェルミ推定を実際に行う際のステップを以下に示します。
- 問題の理解 問題文をしっかりと読み、求められているものを明確にします。例えば、「1年間に日本で消費されるピザの枚数」を推定する場合、対象とする期間や地理的範囲を確認します。
- 大まかな仮定を設定 必要な仮定を立てます。この場合、日本の人口、ピザを食べる頻度、1回の注文で消費されるピザの枚数などを仮定します。
- 仮定をもとに計算 設定した仮定をもとに計算を進めます。例えば、日本の人口が1億2千万人で、毎月1回ピザを食べる人が30%いると仮定すると、1ヶ月で3千6百万人がピザを食べることになります。
- 結果の評価と調整 得られた結果を現実と照らし合わせ、必要に応じて仮定を調整します。ピザの消費頻度や人口データに変更が必要かを検討します。
面接でのフェルミ推定の対策方法
面接でフェルミ推定が求められる場合に備え、以下の対策をしておきましょう。
- 基本的な練習 フェルミ推定の練習問題を解いて、基本的なアプローチ方法に慣れておきます。インターネット上には多くの練習問題が公開されています。
- 現実的な数値に慣れる 人口、消費量、頻度など、実際のデータに基づいた仮定を設定できるようにしておくと、推定の精度が向上します。
- 論理的な説明力を養う 面接官に対して、自分の考えた仮定や計算の過程を論理的に説明できるように練習します。これにより、面接官に自分の思考過程を理解してもらいやすくなります。
フェルミ推定の実例
以下に、具体的なフェルミ推定の問題を解いてみましょう。
問題例:東京都内に存在するピアノ調律師の数を推定せよ。
- 東京都の人口を約1,400万人と仮定
- ピアノ所有率を10世帯に1台(10%)と仮定
- 1世帯あたりの平均人数を2.5人と仮定
- ピアノの調律頻度を年1回と仮定
計算過程:
- 東京都内の世帯数は、1,400万人 / 2.5人 → 560万世帯
- ピアノ所有世帯数は、560万世帯 × 10% → 56万世帯
- ピアノ調律師1人あたりの年間対応台数を500台と仮定すると、56万台 / 500台 → 1,120人
このようにして、大まかなピアノ調律師の数を推定できます。
まとめ
フェルミ推定は、限られた情報から合理的な推測を行うための有力な手法です。面接での対策としては、基本的なアプローチ方法の習得、現実的な数値への理解、論理的な説明力の養成が重要です。この記事で紹介した方法や実例を参考に、フェルミ推定のスキルを磨いていきましょう。
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