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KGI/KPIに代わる指標管理「ノーススターメトリック(NSM)」とは

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ビジネスの成長や成功を測るために、KGI(重要目標達成指標)やKPI(重要業績評価指標)は広く用いられてきました。しかし、近年注目を集めているのが「ノーススターメトリック(North Star Metric)」です。この指標は、企業全体の成長を一つの指標に集約し、チーム全員が同じ方向を向いて進むことを可能にします。本記事では、ノーススターメトリックの基本概念、その導入方法、メリットとデメリット、具体的な活用例について詳しく解説します。

ノーススターメトリックとは?

ノーススターメトリックとは、企業全体の成長や成功を最もよく表す一つの指標のことです。この指標は、企業の目指すべき方向を示す「北極星」のような役割を果たし、全てのチームメンバーが同じ目標に向かって努力することを促します。ノーススターメトリックは、顧客の価値創出を中心に据え、持続的な成長を実現するための指標として設定されます。これにより、各部門が異なる指標に注力することなく、一貫した目標に向かって進むことができます。

ノーススターメトリックの導入方法

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ノーススターメトリックを導入するためには、以下のステップを考慮することが重要です。

ステップ1:企業の目標とミッションの明確化

企業が何を目指し、どのような価値を提供するかを明確にします。

ステップ2:顧客価値の特定

顧客にとって最も重要な価値が何かを理解し、それを指標に反映させます。

ステップ3:適切なメトリックの選定

企業の成長に直結する指標を選びます。この指標は、顧客価値を増大させるものである必要があります。

ステップ4:チーム全体へのコミュニケーション

選定されたノーススターメトリックを全てのチームメンバーに共有し、その重要性を理解させます。

ステップ5:継続的なモニタリングとフィードバック

ノーススターメトリックの進捗を定期的に確認し、必要に応じて戦略を調整します。

    ノーススターメトリックのメリットとデメリット

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    ノーススターメトリックには多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。

    ノーススターメトリックのメリット

    1. 一貫性のある目標設定:全てのチームが同じ目標に向かって努力することで、企業全体の一貫性が保たれます。
    2. 顧客価値の最大化:ノーススターメトリックは顧客価値を重視するため、顧客満足度の向上に寄与します。
    3. 持続的な成長:一つの重要な指標に注力することで、長期的な成長を促進します。

    ノーススターメトリックのデメリット

    1. 指標の選定が難しい:適切なノーススターメトリックを選定することが難しく、間違った指標を選ぶと逆効果になる可能性があります。
    2. 柔軟性の欠如:一つの指標に固執することで、他の重要な要素を見落とすリスクがあります。
    3. 全員の理解が必要:全てのチームメンバーがノーススターメトリックの重要性を理解し、一致団結して取り組む必要があります。

    ノーススターメトリックの具体的な活用例

    ノーススターメトリックは、様々な企業で効果的に活用されています。以下にいくつかの具体例を紹介します。

    1. SaaS企業:SaaS企業では、「月間アクティブユーザー数」や「顧客のライフタイムバリュー(LTV)」がノーススターメトリックとして選ばれることがあります。これにより、顧客のエンゲージメントや長期的な価値創出が促進されます。
    2. Eコマース企業:Eコマース企業では、「顧客のリピート購入率」や「平均注文額」がノーススターメトリックとして使用されます。これにより、顧客のロイヤルティを高め、売上を増加させることができます。
    3. フィンテック企業:フィンテック企業では、「トランザクション数」や「ユーザーのアクティブ率」がノーススターメトリックとして設定されます。これにより、ユーザーの利用頻度を高め、サービスの普及を促進します。

    ノーススターメトリックを成功させるためのポイント

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    ノーススターメトリックを成功させるためには、以下のポイントに留意することが重要です。

    1. 適切な指標の選定:企業の成長に最も寄与する指標を選定することが鍵となります。
    2. 全員の共通理解:全てのチームメンバーがノーススターメトリックの重要性を理解し、目標に向かって一致団結して取り組むことが必要です。
    3. 継続的な評価と調整:定期的にノーススターメトリックの進捗を評価し、必要に応じて戦略を調整する柔軟性が求められます。
    4. 顧客価値の中心に据える:常に顧客の価値創出を念頭に置き、指標が顧客満足度と直結していることを確認します。

    まとめ

    本記事では、KGI/KPIに代わる指標管理として注目されている「ノーススターメトリック」について解説しました。ノーススターメトリックは、企業全体の成長を一つの指標に集約し、全員が同じ目標に向かって進むことを可能にします。基本概念、導入方法、メリットとデメリット、具体的な活用例を理解することで、企業の成長戦略を効果的に進めることができます。

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