

生成AIの進化により、「プロンプト力」が注目されてきましたが、今、次のスキルとして浮上しているのが「YAML(ヤムル)」です。これは単なる設定ファイルではなく、AIや自動化ツールと連携するための“構造化された命令”です。本記事では、YAMLとは何か、そしてなぜ今、非エンジニアにも必要なスキルとして注目されているのかを、初心者向けにわかりやすく解説します。
YAML(YAML Ain’t Markup Language)は、データの構造を視覚的にわかりやすく記述するためのフォーマットです。人間が読みやすいことを重視しており、スペース(インデント)を使って階層を表現します。たとえば、ある処理の流れをYAMLで表現すると以下のようになります。
action:
- name: create_report
tool: Notion
frequency: weekly
このように直感的に「何が行われるか」が理解しやすく、複雑なプログラミング言語を使わずにロジックを組めるのが特徴です。YAMLはGitHub Actions、Make(旧Integromat)、Netlify、さらにはChatGPTのFunction Calling設定など、AIや自動化ツールの設定で幅広く使われています。
これまで生成AIとの対話では「プロンプト=命令文を書く力」が重視されてきました。しかし、生成AIが高度化し「ツールを呼び出す」「外部APIを叩く」「ユーザーの入力に応じて複数アクションを実行する」といった高度な制御が可能になる中で、単なる文章だけでは対応しきれなくなっています。ここで必要とされるのが、プロンプトの“その先”のスキルであるYAMLです。YAMLによってAIに構造的な指示を出すことで、自動化の幅が格段に広がるのです。
ノーコード/ローコードツールの普及により、BizDevやマーケター、事業企画などの職種が直接ツールを設定・活用する機会が増えました。その中で登場する設定ファイルの多くがYAML形式です。たとえば、ZapierやMakeでシナリオを構築する際、ChatGPTのアクションを呼び出すために必要な関数定義やスキーマの指定もYAMLがベースになっています。エンジニアに依頼しなくても、自ら設定を理解し調整できる人材は、プロジェクト推進において極めて重宝されるようになってきているのです。
たとえば、ChatGPTのFunction Calling機能を使えば、ユーザーからの入力に応じて自動的に別ツールを呼び出したり、条件に応じたアクションを分岐させたりすることが可能です。この時に必要なのが、JSONやYAMLでの構造的な命令定義です。具体的には、OpenAI APIの中でfunctionsの構造を定義し、それを自然言語と組み合わせて活用します。YAMLを使えば、これらの設定をより人間にとって理解しやすい形で記述でき、複雑なワークフローの自動化を設計できるようになります。
生成AIの進化により、プロンプト力だけでなく「構造化された命令」を記述する力=YAMLスキルが注目されています。非エンジニアでも扱えるYAMLは、今後のAI・自動化時代における重要なリテラシーです。早期に習得しておくことで、ツール活用の幅が一気に広がり、チームの中での技術的架け橋にもなれるでしょう。
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