

「DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進せよ」という号令は全国各地で聞かれるようになりました。しかし、多くの企業が“ツール導入”や“業務効率化”にとどまり、本来の目的である事業成長に結びつけられていません。DXは単なるIT化ではなく、競争優位を築くための“事業の武器”であるべきです。
本記事では、DXを事業成長につなげるためのロードマップの描き方と、実際に成果を出している先進企業の事例を交えて解説します。
DXとは、「デジタル技術を活用してビジネスモデルや組織、顧客体験を変革し、競争力を高めること」です。よくある誤解として、「紙の帳票を電子化した」「SFAを導入した」ことがDXだと思われがちですが、それはあくまで手段であり、目的ではありません。
真のDXの目的は、「市場変化に適応し、収益機会を広げ、事業競争力を高めること」にあります。つまりDXは、コスト削減ツールではなく、“収益をつくる武器”であるべきなのです。
単なる効率化ではなく、「攻め」の事業成果にどうつなげるかという視点が、DXを武器にする第一歩です。
DXを“構想だけで終わらせない”ためには、フェーズごとの具体アクションとゴール設定が不可欠です。以下のように3つのフェーズに分けて設計しましょう。
このように、「なぜ」「どのように」「どこまで展開するか」までを見越したロードマップ設計が、成果を左右します。
A社は国内中堅の部品メーカーで、従来は紙とFAXによる受発注・在庫管理が中心でした。DXの第一歩として取り組んだのは、「現場の声の吸い上げ」でした。
この事例のポイントは、単なる業務効率化ではなく、現場改善が顧客価値向上につながったことです。これこそが、“武器化されたDX”の好例です。
B社は全国に拠点を持つ店舗型サービス企業。新規顧客の獲得は好調でしたが、リピート率の低さが課題でした。
このように、“顧客の行動変容”を促すDXは、収益直結の成果をもたらすのです。
DX化のロードマップを現場で推進するうえで、BizDevが担うべき役割は多岐にわたります。以下のポイントは特に重要でしょう。
DXはIT部門だけでは進みません。特に、マーケ、営業、CSとの共通理解が不可欠です。また上層部には、ROI、現場には業務負荷軽減など、相手の文脈で語る必要があります。
小さく始めて成果を出し、段階的に展開していきます。失敗を許容し、データで意思決定する文化が成功の前提にありますので、そういったところの醸成も心がけます。
目的がツール導入になってしまうと本末転倒です。「誰の、どんな課題を、どう変えるか?」から設計を始めることが、成功の鍵となります。
DXは単なるIT導入ではなく、事業成長の“武器”として設計すべき戦略です。
本記事では、DXを成功に導くための3フェーズ設計と、成果を出している企業事例を紹介しました。重要なのは、構想だけでなく収益に直結する形での実装と定着です。いま必要なのは、机上の戦略ではなく、実行可能なロードマップといえるでしょう。
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