

プロダクトが優れていても、それだけで売れる時代は終わりました。特にBtoB領域では、営業活動、マーケティング、顧客体験までを含めた“統合的な獲得設計”が事業成長のカギを握ります。本記事では、BtoBスタートアップやSaaS企業のBizDev担当者に向けて、「アクイジション・エンジン(Acquisition Engine)」という考え方を解説。再現性のあるリード獲得・商談創出・受注拡大の仕組みづくりに必要な要素を網羅的にお伝えします。
アクイジション・エンジンとは、単発的なリード獲得や営業施策ではなく、**事業成長に直結する“継続的・再現可能な顧客獲得の仕組み”**を指します。
BtoB文脈での定義においては、以下の3点が特に重要です。
特にSaaSなどのモデルでは、チャーンを抑えLTVを伸ばすためにも、アクイジションからカスタマーサクセスまでを“1つのエンジン”として捉える発想が求められます。
従来のBtoBセールスでは、営業力や個人スキルに依存した「属人的な獲得モデル」が主流でした。しかし、以下の変化によって“仕組み化”の重要性が急速に高まっています。
特に、「勝ちパターンの再現性」こそが、スタートアップの成長に不可欠な資産になります。
優れたアクイジション・エンジンは、プロダクトがまだ未完成なフェーズであっても、「見込み顧客に伝える力」と「購入行動を後押しする仕組み」を提供し、事業の初速と収益性を支えます。
アクイジション・エンジンの核となる要素は、大きく以下の3つに分類されます。
広告、SEO、展示会、ウェビナーなど、リード母集団をいかに効率よく作るか。ここではターゲット明確化とチャネルごとのROI設計がカギです。
ホワイトペーパー、資料請求、MAツールによるスコアリングなど、リードの温度を上げて適切なタイミングで営業に引き渡す仕組みが必要です。
インサイドセールス、フィールドセールス、テックタッチなど、プロダクトと営業の最適な役割分担で契約率とLTVを最大化します。
これらが分断されず、1つの顧客ジャーニー上で連携する構造が、アクイジション・エンジンの本質です。
この段階では、プロダクトよりも営業と仮説検証のスピードが重視されます。アウトバウンド+代表営業を軸にした“手動型エンジン”が主力です。
ここではセールスの分業とマーケティングの仕組み化が進みます。
顧客基盤が増えた後は、カスタマーサクセス含めたLTV重視のエンジン設計が必要です。
優れたアクイジション・エンジンは、仕組みだけでなく、それを回す人・評価・ナレッジが設計されて初めて自走します。
組織・人・数値の視点を統合することで、アクイジション・エンジンは徐々に“資産化”し、事業の予測性と耐久性が高まります。
BtoBビジネスにおいて、優れたプロダクトだけでは勝てない時代に突入しています。
だからこそ必要なのが、マーケ、営業、CSが一体となった“アクイジション・エンジン”です。
本記事では、トラフィック・ナーチャリング・セールスを統合する構造、フェーズごとの打ち手、組織設計の観点までを紹介しました。
獲得の仕組みを設計できる企業だけが、長期的な事業成長を手にできます。
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