

面接や商談、社内ミーティングなどでよく聞かれる「何か質問はありますか?」という一言。多くの人はこの問いに戸惑い、無難な質問でその場をやり過ごしてしまいます。しかし、実はこのタイミングこそが、自分の視座や価値を相手に印象づける最大のチャンスです。本記事では、単なる情報収集にとどまらない「逆質問力」をテーマに、その意味、実践的な構造、磨き方について解説します。
逆質問力とは、会話やヒアリングの場において自分が質問者となり、相手の思考や意図、関係性を引き出す力のことです。特にビジネスの現場では、受け身ではなく「質問を通じて価値提供できるか」が評価の分かれ目となります。
たとえば、面接の終盤での逆質問は、単なる情報確認だけでなく「その人の視点・意欲・論理性」を測る場になっています。また商談や1on1でも、適切な問いかけによって信頼関係が深まり、相手の本音や課題を引き出せるケースが多くあります。
逆質問力は「会話の受け手」ではなく「場の設計者」になるためのスキルです。だからこそ、近年ではBizDevや営業など“人と話す力”が問われる職種で特に注目を集めています。
面接や商談の最後に訪れる「何か質問はありますか?」という問いは、形式的なものではありません。むしろ、その人の“理解力・関心領域・思考の深さ”を確認する機会として活用されています。
たとえば、企業面接で「説明された内容の補足」をただ求める質問は、印象に残りづらいものです。一方で、「今のプロダクト戦略と中長期の成長計画の接点はどこにありますか?」といった質問は、自分の視点や企業への理解を示すとともに、相手に「この人は入社後も当事者意識を持ってくれそうだ」と感じさせます。
また、質問の中身によっては、逆に相手の信頼や興味を引き出すことができ、その後の関係性構築にもつながります。逆質問は、受け答えだけで終わらない“自分のプレゼン時間”なのです。
逆質問力を高めるには、闇雲に聞くのではなく「目的に沿ったフレーム」で質問を構築することが重要です。以下の3つの型を使い分けると効果的です。
「その方針はどういった背景で決まったのでしょうか?」
→ 相手の意思決定プロセスを確認し、論点を深掘る
「中長期的には、どのような変化を見越してこの戦略を取られているのですか?」
→ 自分が“同じ目線で考えられる人”だと印象づける
「先ほどの取り組みの中で、最も大変だったことはどんなことですか?」
→ 相手の経験や感情に寄り添い、関係性を構築する
質問の「目的」を明確にし、「相手の思考を引き出すこと」を意識するだけで、会話の質は大きく変わります。
シーンによって逆質問の切り口は異なります。以下にいくつか具体例を紹介します。
これらの質問は情報収集だけでなく、「あなたを理解しようとしています」という姿勢そのものが価値になります。
逆質問力はセンスではなく、磨けるスキルです。以下の習慣を取り入れることで自然と質問の質が上がります。
「なぜあの質問が刺さったのか」「もっと深掘りできたか」を記録し、再現性を高めましょう。
面接、商談、社内会議など、場面別に「使える質問テンプレート」を持っておくと即応力が上がります。
相手の話を聞きながら「その背景は?」「今後はどうなる?」と自分の中で問いを立ててみる練習を継続すると、質問構造の思考回路ができていきます。継続的に問いを立て続けることで、逆質問力は確実に高まります。
「何か質問はありますか?」は、評価されるチャンスです。逆質問力とは、相手の思考や意図を引き出し、同時に自分の理解力・視座・関心を伝える力。型を持ち、目的を意識すれば、誰でも今日から磨けます。採用面接、商談、1on1と、あらゆる場面で使える武器として、逆質問力を身につけていきましょう。
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