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ビジネスシーンで活用できる、「6W3H」フレームワークの使い方と「5W1H」との違い

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ビジネスの現場では、問題解決や戦略立案の際に、情報を体系的に整理し、分析するスキルが求められます。そのために役立つツールが「6W3H」フレームワークです。従来の「5W1H」に「Whom(誰に)」「How many(どのくらい)」「How much(いくらで)」が加わり、より詳細かつ包括的な分析が可能になります。本記事では、このフレームワークの基本概念から具体的な活用方法までを詳しく解説します。これにより、皆さんがビジネスシーンでの課題を効果的に解決するための手法を学ぶことができます。

6W3Hフレームワークとは何か

「6W3H」とは、Who(誰が)、What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(なぜ)、Whom(誰に)、How(どのように)、How many(どのくらい)、How much(いくらで)の9つの要素を指します。このフレームワークを用いることで、複雑な情報を整理し、漏れなく分析することが可能となります。

Who(誰が)

関係者や当事者を特定します。プロジェクトや問題に関与する全ての人物をリストアップし、それぞれの役割を明確にします。

What(何を)

問題や課題、または達成すべき目標を明確にします。具体的に何が問題なのか、どのような成果を期待しているのかを定義します。

When(いつ)

タイムラインや重要な日付を設定します。計画の各ステップにおける期限や、成果を評価するためのタイミングを明示します。

Where(どこで)

場所や環境を特定します。問題が発生している場所や、プロジェクトが実施される場所を明らかにします。

Why(なぜ)

原因や理由を分析します。なぜその問題が発生したのか、なぜその目標を達成する必要があるのかを理解することが重要です。

How(どのように)

方法や手段を具体化します。問題解決や目標達成のためにどのような手段を用いるのか、具体的な方法を計画します。

How many(どのくらい)

量や規模を定量化します。目標達成のために必要なリソースや、問題の影響範囲を数値で示します。

How much(いくらで)

コストや予算を設定します。計画実行に必要な費用を見積もり、予算を設定します。

6W3Hフレームワークの具体的なステップ

図:6W3H活用のステップ(BizDevキャリア編集部作成)

6W3Hフレームワークを効果的に活用するためには、以下のステップを踏むことが重要です。

ステップ1:情報収集

まず、必要な情報を集めます。プロジェクトの背景や現在の状況、関係者の意見などを幅広く収集します。

ステップ2:フレームワークへの当てはめ

収集した情報を6W3Hの各要素に当てはめて整理します。全ての要素について具体的な情報を埋めていきます。

ステップ3:分析と仮説立案

整理された情報を基に、問題の原因や解決策の仮説を立てます。各要素がどのように関連しているかを考慮し、全体像を把握します。

ステップ4:戦略策定

仮説を基に具体的な戦略を策定します。各要素が具体的な行動に結びつくように計画を立てます。

ステップ5:実行と評価

策定した戦略を実行に移し、その結果を評価します。6W3Hの各要素に基づき、達成度や問題点を分析し、必要に応じて計画を修正します。

6W3Hフレームワークの実例

具体的な企業の例を挙げることで、6W3Hフレームワークの実践方法をより明確に理解することができます。例えば、新製品の市場投入を考える際、このフレームワークを使って詳細な計画を立てることができます。

例として、ある消費財メーカーが新しい飲料を市場に投入するケースを考えます。

  1. Who(誰が):プロジェクトチーム、マーケティング担当者、生産部門、販売代理店
  2. What(何を):新飲料の開発と市場投入
  3. When(いつ):市場調査から製品発売までのタイムライン
  4. Where(どこで):ターゲット市場の地域
  5. Why(なぜ):市場拡大と売上向上のため
  6. Whom(誰に):ターゲット顧客(若年層、健康志向の消費者など)
  7. How(どのように):製品開発、マーケティングキャンペーン、流通チャネルの確保
  8. How many(どのくらい):初回生産量、販売目標
  9. How much(いくらで):予算設定、価格戦略

6W3Hフレームワークのメリットと限界

6W3Hフレームワークには多くのメリットがあります。まず、情報を体系的に整理できるため、問題の全体像を把握しやすくなります。また、漏れなく分析することで、見落としや誤りを防ぐことができます。

一方で、6W3Hフレームワークには限界もあります。特に、情報収集の段階で全ての要素に関する正確な情報を得ることが難しい場合があります。また、主観的な判断が入ることがあるため、客観性を保つための工夫が求められます。例えば、データに基づいた評価を行う、第三者の視点を取り入れるなどの対策が考えられます。

まとめ

6W3Hフレームワークは、ビジネスシーンでの問題解決や戦略立案において非常に有効なツールです。各要素を体系的に分析することで、情報の漏れを防ぎ、具体的な行動計画を立てることができます。しかし、効果的に活用するためには、正確な情報収集と客観的な評価が不可欠です。これにより、企業はより確実に目標を達成し、持続的な成長を実現することが可能となります。

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