企業が成長し続けるためには、優秀な人材の確保が不可欠です。特に技術革新が進みイノベーションが求められる現代においては、起業家としてのマインドやスキルを持つ人材や、優秀なエンジニア、デザイナーをいかに獲得するかがポイントになっています。そこで注目されているのが、「アクハイヤー」と呼ばれるM&A手法です。アクハイヤーとはどのような手法であり、企業にとってどのようなメリットがあるのかを解説します。
アクハイヤーとは何か?
アクハイヤー(Acqui-hire)は、「Acquisition(買収)」と「Hire(雇用)」を組み合わせた造語です。企業が他社を買収する際、主な目的がその企業の人材を獲得することである場合に使われます。通常のM&Aでは、事業資産や市場シェアの獲得が主な目的とされますが、アクハイヤーでは、特定のスキルや経験を持つチームを迅速に手に入れることが目的です。特にスタートアップ企業の買収によって、優秀なエンジニアやデザイナーあるいは起業家を一括して獲得するケースが増えています。
参考:アクハイヤー(Wikipedia)
アクハイヤーのメリット
アクハイヤーの最大のメリットは、優秀な人材を迅速に確保できる点です。通常の採用プロセスでは、トップタレントを見つけ出し、採用するまでに時間がかかります。しかし、アクハイヤーを利用すれば、既に実績のあるチームをそのまま手に入れることができます。また、チームとしての連携が取れているため、個々の採用よりも即戦力として機能しやすいです。さらに、競合他社に対するアドバンテージを獲得する手段としても有効です。
アクハイヤーの成功事例
アクハイヤーの成功事例として、GoogleやFacebookなどの大手IT企業が挙げられます。例えば、Googleは多くのスタートアップをアクハイヤーし、優秀なエンジニアやデザイナーを確保してきました。また、Facebookも同様に、InstagramやWhatsAppの買収を通じて、その創業メンバーを自社に迎え入れ、サービスの強化に成功しています。これらの企業は、アクハイヤーによって得た人材のスキルと経験を活かし、新たなイノベーションを生み出しています。
日本国内においても、資生堂が2017年に米国AIベンチャーのGiaran Inc.を買収、2019年に京セラの子会社である京セラコミュニケーションシステムがAIベンチャーのRistを買収しました。これらの買収は、AI技術を持つ人材の獲得と技術力向上を目的としているとされており、アクハイヤーの事例といって差し支えないでしょう。
アクハイヤーのプロセスと注意点
アクハイヤーのプロセスは、通常のM&Aと同様に、対象企業の評価、交渉、買収契約の締結などが含まれます。しかし、人材獲得が主目的であるため、対象企業のカルチャーフィットや従業員の満足度も重要な要素となります。買収後、優秀な人材がすぐに退職しないよう、適切なインセンティブや環境を整えることが必要です。また、法的な側面や財務面のデューデリジェンスも怠らないことが重要です。
アクハイヤーがもたらす企業文化への影響
アクハイヤーにより新たな人材が加わることで、企業文化に大きな影響を与えることがあります。新しい人材が持つ価値観や働き方が既存のチームに刺激を与え、全体のパフォーマンス向上に繋がることもあります。一方で、カルチャーフィットの問題が生じる可能性もあります。そのため、買収後は、新たな人材と既存のチームとのコミュニケーションを円滑に進め、相互理解を深めることが重要です。
まとめ
アクハイヤーは、企業が優秀な人材を迅速に確保するための有効な手段です。そのメリットを最大限に活かすためには、買収プロセスの各段階で注意を払い、適切なインセンティブや環境を整えることが重要です。成功事例から学び、自社の成長戦略に取り入れることで、大きな成果を期待できます。
BizDevとしてのスキルやノウハウを活かして働きたいみなさんへ
ご覧いただいている「BizDevキャリア」を運営するtalental(タレンタル)株式会社では、BizDev領域の即戦力人材レンタルサービス「talental」を提供しています。現在、副業・フリーランス人材のみなさんのご登録(タレント登録)を受け付けています。無料タレント登録はこちらから。これまで培ったスキルやノウハウを活かして、さまざまな企業のプロジェクトに参画してみませんか?